日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2023年2月8日スピーチを成功させる3つのポイントとは?

★ベーシックコースの成果発表スピーチに感じること


日本話し方センターのベーシックコースでは、最終日に受講生が成果発表スピーチを行います。ベーシックコースを受講している3ヶ月の間に学んだこと、気付いたことを日常の中で実践した結果も含めて話してもらっています。私はこの成果発表スピーチを毎回聴いていますが、「とてもわかりやすい話だなぁ」と思うスピーチがとても多いのです。今回は私が分かりやすいと感じるスピーチのポイントについてお話します。




★一場面を切り取ったエピソードを話す


1つ目のポイントは『話が具体的』ということです。
受講生は「相手の顔を見て話そう」「準備が何よりも大切だ」などのテーマでスピーチをします。その話の中で、日常の一場面を切り取ったエピソードを入れて話をしています。事例を一つ、ご紹介しましょう。


受講生のDさんが「相手の顔を見て話そう」というテーマで次のようなスピーチをしました。
◎お客様に商品の説明をするとこんなことが度々あった。
D「説明は以上ですが、何かご不明な点はありますか?」
客「あの~、この部分がよくわからないんですが・・・」
D「(えっ!それ、説明の最初の部分だよ・・・結局全然わかってもらえてないんだな・・・)」
◎人に理解してもらえる説明ができるようになりたくて教室に通い始めた。
通っているうちに自分が話をする時、相手の顔を見ていないことに気付いた。
◎その後、別のお客様に商品説明をする機会があった。お客様の顔を見ながら説明していると、途中で困ったような表情になった。
D「ご不明な点がありましたか?」
客「ええ、さっきの説明のこの部分はどうしてこうなるのかな、と思って」
◎顔を見ながら話すことでお客様がわからない点をすぐに補足説明することができ、説明がスムーズになった。


このように、話したいテーマに関する具体的なエピソードを取りあげ、そのエピソードのある場面を切り取って話すと、話はとても具体的になります。それは、聞いている人が頭の中にその話の場面が浮かび具体的にイメージできるからです。この手法の効果は絶大ですが、ほとんどの人がこのような話し方をしません。「お客様の顔を見て話すと、その表情を見ながら問い掛けができるので説明がスムーズにできました」といった具体性に欠ける話をしています。ぜひ一場面を切り取って具体的な話にしてみてください。



★語りかけるような口調で話す


わかりやすいと感じる2つ目のポイントは『語りかけるような口調で話す』ということです。
成果発表スピーチでは、多くの受講生が聞き手一人ひとりの顔を順番に見ながら、その人に語りかけるように話をしています。それが耳に心地よく聞こえます。大勢の前で話す場合、大勢の人を意識して演説口調になってしまうのはよくあることです。演説口調は、勢いがよくて力強さを感じる一方で、聞いている方は段々とその強い口調に聞き疲れがしてきます。3分程度であれば問題ありませんが、それ以上長い時間だと聞き手の集中力がなくなってくるのです。一方、一人ひとりに語りかけるような柔らかい口調だと、そうした弊害はないため聞き手は安心して最後まで話を聞くことができます。その分、話も理解しやすくなります。


このことについてはtwitterにも投稿していますので参考になさってください。






★自分の気持ちをしっかりと話す


3つ目のポイントは『自分の気持ちをしっかりと話す』ということです。
スピーチに限らず、日常会話でもビジネストークでも、単なる事実の報告だけしかしないことがよくあります。しかし、そういう話を聞くと相手は「それでこの人はどう思ったのだろう?」という疑問が残り、モヤモヤした気持ちになります。その分、わかりやすかった、という印象は薄れてしまいます。
上で例示したDさんのスピーチのように「相手の顔を見て話すことで説明がスムーズになり、それが自信につながりました。私はこれからも相手の顔をしっかりと見て話をします!」と自分の気持ちをしっかりと伝えることで聞き手の納得感がさらに高まります。


人前で話をする際はこの3つのポイントを意識して準備してみてください。



★相手に伝わる話し方を学びませんか?


上に述べたことはベーシックコース2日間集中セミナーでより具体的に講義で伝えています。また、受講生の特性に応じて個別にトレーニングを行い、自身のスキルとして身につけていただいています。ぜひ受講をご検討ください!

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